POI当院の特徴NIPT(新型出生前診断)を受ける上で絶対必要な条件は「検査会社の安全性」と「陽性後のフォロー」です。
当院では以下の項目を準備しております。
・世界基準の検査体制(ベルギーGENDIA社)
・出生前コンサルト小児科医所属
・大学病院連携
・NPO法人親子の未来を支える会連携
NIPT(新型出生前診断)とは
● 新型出生前診断・NIPTは、母体からの採血で、胎児の染色体異常を調べるスクリーニング調査です。新型出生前診断・NIPTは、妊娠10週目以降の妊婦さんの血液で赤ちゃんの染色体異常を調べるスクリーニング調査です。以前から採血検査の母体血清マーカーや、絨毛検査、羊水検査などの出生前検査はありました。しかし、母体血清マーカーの感度や特異度は低く、また、絨毛検査や羊水検査は感染症や流産のリスクが否めません。この新型出生前検査(NIPT)は、10mlほどの採血で検査できるため、感染症や流産のリスクがありません。そのため海外では、染色体異常を確定する確定検査(絨毛検査や羊水検査)に進む必要があるかないかの判断基準(スクリーニング)として取り入れられています。
※感度と特異度・・・感度は検査で陽性かつ出産後も陽性という確率のこと。特異度は検査で陰性かつ出産後も陰性という確率のこと。
※確定検査・・・・・染色体異常が確実にわかる検査のこと。
NIPT(新型出生前診断)でわかること
● 新型出生前診断で分かるトリソミーとは?
人間の体はすべての細胞に46本の染色体があります。そしてそれぞれが二本一組の対をなしています。このうち22対は常染色体とよばれ、男女に共通しますが、残りの一対は性染色体といって、男性はXY、女性はXXという染色体です。
22対の常染色体には大きい順に1番~22番まで番号がつけられています。
トリソミーとは、通常二本の対をなす染色体を両親からそれぞれ1本ずつ受け継ぐ分裂の際に、ある番号の染色体において三本になってしまった状態のことです。
検査を希望される妊婦さま
私たちが新型出生前診断(NIPT)の検査を提供する理由は、検査を希望される妊婦さま、ご家族の方々に新型出生前診断を受ける機会をつくるためです。新型出生前診断(NIPT)は、母体から10ml程度の採血をして、胎児の染色体異常を調べるスクリーニング検査です。母体、胎児への負担がなく、検査精度も高い検査で、従来の出生前診断と区別して「新型出生前診断」と呼ばれています。この負担が少なく精度が高い新型出生前診断を受ける人が極めて少ないのが現在の日本の現状なのです。新型出生前診断の検査を受けたのは、認可された2013年3月から2016年7月までの3年間で3万615人でした。(日経新聞サイト記事を見る)その後の1年は、検査を受けられる医療機関が増えたため、受検者は増加していると考えられます。しかしそれでも、1年の出生者数が約100万人(※1)と言われる中で、検査を受けたのは1%強の人たちです。新型出生前診断を受検者が少ない理由として主に下記があげられます。
⚪︎新型出生前のことを知らない
⚪︎検査できる医療機関が限られている
⚪︎年齢(35歳以上)
⚪︎出産場所の指定
⚪︎近親者に染色体異常がある
上記のように、検査を受けるための制約があるのが理由です。
私たちは、これらの制限なく、ご希望される妊婦様、ご家族様がNIPT検査内容を理解して受けられる環境をご提供します。
検査に関するご質問は、医師監修の下、WEB質問集、LINE、お電話で対応させていただきます。新型出生前診断のスクリーニング結果だけでなく、この検査を起点に、「妊娠」「出産」「子育て」について考えていただきたいと思っています。
NIPT(新型出生前診断)検査の概要
- NIPTはおなかの中の赤ちゃんが染色体疾患をもつ可能性をみるための検査です。
- 当院では検査対象となる染色体疾患は 21 トリソミー、18 トリソミー、13 トリソミー、性染色体検査、全常染色体全領域部分欠失、重複疾患を調べることができます。
- 妊娠 10週以降(11週が目安)に妊婦さんから 10 ml の血液を採取して、血液中に浮遊している cfDNA(染色体が細かく分解されたもの)を分析して結果を出します。
- 結果は「陽性」、「陰性」、または「判定保留」と報告されます。「陽性」とはその疾患の可能性が高いという意味です。
- 妊婦さんの血液中に浮遊している cfDNA のうち約 10%が赤ちゃん由来です。
そのため NIPT は精度の高い検査ではありますが、染色体疾患の可能性の高さを判定しているにすぎません。 - 検査結果が「陽性」の場合には、確定診断である羊水検査が必要です。また、「判定保留」の場合には、その後の対応について再度相談する必要があります。
染色体ってなに?
- 人の染色体の定義は 46 本で、常染色体(1 〜 22 番染色体)のペアと、性別によって異なる染色体(X・Y 染色体)のペアからなっています。
- 染色体には多くの遺伝子(ヒトの体や働きの設計図)が詰まっています。
- 染色体に数や形の変化が起こると、成長や発達に影響を与えたり、生まれつきの病気や体つきの特徴をもつことがあります。
- 「トリソミー」とは本来 2 本(ペア)である染色体が、3 本ある状態で、例えば 21 トリソミーとは、21 番染色体が 3 本ある状態のことです。「トリ」とは3をあらわします。
【 検査を受ける前に、もう一度確認いただきたいこと 】
◉ NIPTは妊婦さんの採血のみで実施できますが、赤ちゃんの染色体疾患を出生前に調べる検査です。「陰性」以外の結果がでることで、さまざまな困難に直面する可能性があります。
- この検査では診断を確定できません。診断を確定するためには羊水検査や絨毛検査を受ける必要がありますが、おなかから子宮内に針を刺す検査のため、300分の1程度の確率で流産が起こります。
- 「陽性」でもその染色体疾患ではない場合もあります(偽陽性といいます)。例えば、35歳の妊婦さんの「21トリソミー陽性」の場合でも、実際に赤ちゃんがダウン症候群でない確率は約20%あります。
- 「陽性」の場合、結果に関する詳しい説明やその後の対応について遺伝カウンセリングを受ける必要があります。
◉ NIPTは侵襲的で流産リスクのある羊水検査などを受けるどうか、悩む妊婦さんがその判断材料として行う検査ともいえます。
NIPTでわかること・わからないこと
NIPT は 「染色体異常」しかわかりません。具体的には21 トリソミー、18 トリソミー、13 トリソミー、性染色体検査、全常染色体全領域部分欠失、重複疾患の染色体疾患の可能性を調べる検査です。
- 生まれて来る赤ちゃん100人中に3~5人ほどは先天的な疾患をもって生まれてきます。
- この中で染色体が原因の疾患は約25%で、NIPTの検査対象である3つの染色体疾患は、さらにその約70%です。このことを計算してみると。3つの染色体疾患のある赤ちゃんは100 人あたり0.7 人程度となります。以下の表が先天性疾患の頻度と染色体疾患です。
母体年齢とトリソミー児の出生頻度の関係
妊婦さんの年齢が上昇すると、トリソミーをもつ赤ちゃんの出生頻度が高くなることが知られています。
それ以外の染色体疾患では、その影響は明らかではありません。
人婦さんの年齢によって疾患の頻度は高くなりますが、縦軸の最大値を100%とすると上昇傾向ははっきりしません。以下のグラフのように拡大してみてみると上昇傾向が見えてくる程度です。
私たちの多様性と先天性疾患
POINT染色体が原因となる生まれつきの変化を含め、赤ちゃんが先天性疾患をもつことは誰にでも起こりえることです。そのことにより赤ちゃんが多くの人とは違った特徴を示すことがありますが、それは誰もがもつ人としての多様性、その人の個性の一部です。 生まれつきの変化によって人とは違った特徴をもつことが生き辛さにつながる可能性は否定できません。
その一方で人の幸不幸はそういった特徴のみで決められるものではないとも言えます。 どのような境遇にあろうと、みな我々と共に生きる社会の一員であり、お互いを認め合い、助け合う社会を実現するために公的福祉サービスが用意されています。
一方で、さまざまな事情により、生むことをあきらめる選択をする方もおられますが、その選択も尊重されるものです。妊娠の継続や中断については、経験者などによる、いわゆるピアサポートを行う団体もあります。