リンゴ酢のほんと
なんで急にリンゴ酢?ってなる方も多いかもしれませんが、論文めぐりをしていたら気になるものがありました。
簡単にいうと、「糖尿病患者におけるリンゴ酢(アップルサイダービネガー)の働き」です。
論文を簡単にまとめてみました。
背景
リンゴ酢は、機能性食品の摂取などの代替療法として昔から使われていていました。主成分は酢酸で、ペクチン、カリウム、ナトリウム、リン、カルシウム、鉄、アスコルビン酸、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、カテキン、エピカテキン、没食子酸、カフェー酸、シリンガ酸、p-クマリン酸、フェルラ酸、クロロゲン酸などのさまざまなポリフェノール化合物が含まれており、動物実験レベルでは効果的と認められておりました。
方法
73人の糖尿病患者さんに対して、毎日30mlのリンゴ酢を飲んでもらいました。
面白いことにリンゴ酢の作り方の記載もありました。笑
ちなみに作り方↓
リンゴ酢作り方①リンゴを洗って木部と種を取り除いた後、切り分ける
②リンゴを清潔な 10 ガロンの樽に注ぎ、各樽に 2 リットルのお湯を加える。
③各樽に少量の塩 (20 グラム) を加える。
④ 45 日間毎日かき混ぜて、ほぼリンゴ酢完成。
⑤布フィルターで酢を濾過して完成
結果
体重、BMI、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径が減少。
収縮期血圧では低下傾向。
空腹時血糖(FBG)、HbA1C、総コレステロール、LDL、LDL/HDL 比、コレステロール/HDL 比が有意に減少し、インスリンホルモンが増加。HDL レベルの上昇傾向。
脂質代謝改善と血糖コントロール改善を確認!
なんでリンゴ酢が効くの?
▶︎血糖値を下げる理由
①お酢成分(酢酸)が糖質の分解酵素に作用して血糖値を下げること
②α-アミラーゼを阻害して血糖値指数を低下させる
③アップルサイダービネガーは胃内容排出速度を低下させる。
④肝臓と筋肉によるブドウ糖の取り込みを増加させる。
お酢単体よりも効果は大きいそう。参考文献
▶︎脂質を改善する理由
①脂肪の合成に関与する酵素(ATP クエン酸リアーゼ、HMG CoA 還元酵素、脂肪酸合成酵素など)に対する酢酸阻害効果
②胆汁酸と糞便酸の排泄増加
③減量したことよる効果
デメリット
- 消化器系への影響
過剰摂取は胃酸過多を引き起こし、胃炎や胃潰瘍のリスクを高める可能性があります。また、喉の痛みや胃の不快感を感じることもあります。 - 歯のエナメル質への影響:
リンゴ酢の酸性度が高いため、歯のエナメル質を損傷する可能性があります。これを防ぐために、リンゴ酢を摂取した後は水で口をすすぐか、ストローを使用することが推奨されます。
結論
リンゴ酢は適切に使用することで、糖尿病管理に対するいくつかのポテンシャルがありますが、過剰摂取や誤った使用は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。糖尿病の治療計画にリンゴ酢を取り入れる前に、必ず担当医と相談しましょう。
どうぞ我々虎ノ門メディカルクリニックをよろしくお願い申し上げます。
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